3・11震災を知らない君たちへ


令和4年10月に「ぱるす出版」から出版されました。
「子どもたちは未来の設計者」の作者(当財団理事)が、東日本大震災を知らない子どもたちに「半分被災者、
半分支援者からのメッセージ」として優しく語りかけています。

書籍の出版は、東日本大震災の教訓を後世に伝える活動として、これまでに、朝日新聞耕論、NHKラジオ深夜便、岩手日報、読売新聞、河北新報で取り上げられています。身内の書籍ですが、子どもたちの未来のために、親から子に、先生から生徒に読み聞かせたい一冊です。

書籍はネット(Amazon、紀伊国屋、TUTAYA等)または、お近くの書店から注文できます。

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著者鈴木利典(当財団理事)プロフィール

東日本大震災前に中学校の教員として沿岸に4校14年勤務。勤務校はすべて被災。震災当時は岩手県立総合教育センター所員として後方支援にあたり、震災の翌年から旧大槌町立大槌中学校と旧陸前高田市立気仙中学校にそれぞれ2年ずつ校長として赴任している。

内容紹介

「とびら(扉)」から

皆さんが、まだ生まれる前か
幼かった頃
岩手、宮城、福島を中心とする東日本で
大きな地震と津波がありました。
東日本大震災です。
この本は
半分だけ被災者、半分だけ支援者が経験した
東日本大震災の被災地と
その後の学校での出来事です。



「はじめに(抜粋)」から ~NHKラジオ深夜便で江崎史恵アナウンサーが朗読~

私は、この震災で教え子や保護者、職場の同僚や知人をたくさん亡くしました。
震災前、岩手県の沿岸地域に教師として14年暮らしていたからです。
故郷が、津波で壊滅的な被害を受けた陸前高田市の隣町だったので親戚も亡くなりました。
 
悲しく辛い日々が続きました。
震災で心を痛めた人も「被災者」と呼んでいいのなら、私も被災者の一人でした。
私だけでなく、当時、東日本大震災の被害の様子をテレビや新聞で見た人たちは、皆、自分のことのように心を痛めていました。
 
しかし、私には家があり、家族は無事でした。
目の前で家が流され、肉親を失った被災者たちとは明らかに違っていたので、自分は「半分だけ被災者」そう思うことにしました。